自転車の後輪から聞こえるラチェット音は、人によっては大きい音が出たほうが良いという方もいます。しかし、後輪の中心部分のグリスを意図的に抜いて、ラチェット音をうるさくする爆音化は、自転車の寿命を短くしていまうので、あまり良いことではありません。
ラチェット音とは
ラチェット音とは、自転車の後輪のハブ(中心)に組み込まれているラチェット機構の金属部品が擦れる音のことです。走行中にペダルの動きを止めて空転させると「カラカラ」「カチカチ」というラチェット音が鳴ります。
自転車の後輪の中心部分(リアハブとカセットスプロケットの間)には、ラチェット機構と呼ばれるものが組み込まれていて、これによりペダルを回した力を一方向だけに伝わるようになっています。そのため、走行中にペダルの動きを止めると、後輪が空転する仕組みになっています。
自転車の後輪に組み込まれているラチェット機構は、スターラチェットなどいくつかの種類がありますが、爪のタイプのラチェットが採用されていることが多いです。
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自転車の後輪の中心部分にあるフリーホイールの内部はギザギザした造りになっていて、ペダルを回転させると、ラチェットの爪と内部のギザギザが噛み合って力を伝えます。
しかし、坂道などでペダルの動きを止めた時は、ラチェットの爪が噛み合わない仕組みになっているので、後輪が空回りします。この時にラチェットの爪が擦れて「カラカラ」「カチカチ」となる金属音のことを、ラチェット音と言います。
ラチェット音をうるさくする爆音化は寿命を縮める
自転車のメーカーによっては、もともとラチェット音が大きいものがあって、この場合は全く問題ありません。しかし、自転車に乗り始めたばかりの頃は、ラチェット音が小さかったのに、乗り続けるうちにラチェット音がうるさくなってきたという場合は、ラチェット機構のグリスが抜けている可能性があります。
ラチェット機構のグリスが抜けると、部品同士がぶつかり合って、ラチェット音が大きくなります。ラチェット音は、人によって大きい音が好みの人もいれば、小さい音の方が良いという人もいます。
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大きなラチェット音を好む人の中には、ハブ内部のグリスを意図的に抜いて、ラチェット音をうるさくする、いわゆる爆音化を図ることがあるようですが、これは自転車にとってあまり良いことではありません。なぜなら、ラチェット機構のグリスが抜けると、ラチェットの爪と周辺の部品がぶつかり合うので、寿命が短くなってしまうからです。
それとは反対に、たくさんのグリスを塗りすぎると、ラチェットの爪が上手く嚙み合わなくなり、後輪が意図せず空転することがあるので注意が必要です。
大きいラチェット音が好みの方は、グリスを抜いてラチェット音をうるさくするのではなく、初めから大きなラチェット音が出るメーカーのものを選ぶと良いでしょう。カンパニョーロやフルクラムは大き目の爪のラチェット機構になっているので、ラチェット音が大きいことで知られています。
クリンチャーホイール前後セット(カンパニョーロフリーホイール)
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