自転車のペダルの付け根や車輪の軸から異音が発生する場合は、内部に組み込まれたベアリングという部品の不具合が原因の1つとして考えられます。本記事では、自転車のベアリングの異音と寿命について紹介します。
自転車のベアリングの異音
ベアリングとは、軸の回転を滑らかにするための軸受(じくうけ)のことです。ベアリングの内部に組み込まれた金属製のボールによって、軸がスムーズに回るようになっています。このような部品のことをボールベアリングと言います。
自転車の回転する部分には、大抵はベアリングが設置されています。たとえば、前後のホイールのハブ(中心軸)に2つ、クランクの付け根にあるBB(ボトムブラケット)、左右のペダル、ヘッドチューブ上下に2つ、などにベアリングが組み込まれています。
その中でも、ベアリングから異音が発生しやすいのが、ホイールのハブとBBです。ホイールのハブに設置されたベアリングは、前輪よりも後輪のハブに組み込まれたベアリングの方が故障しやすいです。なぜなら、自転車は前輪よりも後輪の方が荷重がかかやすいからです。
Sponsored Links
また、自転車のクランクは、ペダルを漕ぐ力が最初に伝達されるパーツなので、そのクランクの付け根にあるBBには、大きな負担がかかります。そのため、内部に設置されたベアリングが破損しやすく、ペダルを漕ぐたびに異音が生じることがあります。
ベアリングの種類によっては、内部に雨水や塵が入り込まないように、ゴム製のパーツで保護された構造になっているものもあるのですが、長い間使用していると、どうしても雨水や塵が混入し、内部に注入したグリスが流れて出てしまうことがあります。すると、ベアリング内の金属製の部品同士がぶつかり合って異音が聞こえるようになるのです。
自転車のベアリングの寿命
自転車に使用されているボールベアリングの主な種類は、カップアンドコーン形式とシールドベアリング式があり、製品よってはカップアンドコーン形式の方が衝撃に強いので、比較的寿命が長い傾向があります。
カップアンドコーン形式のボールベアリングの寿命は、走行距離3万kmくらいが交換時期とされています。しかし、走り方や管理状況によってはもっと早く故障することもあるので、走行距離1万kmくらいになったら、内部の状態確認も兼ねて、内部清掃とグリスアップをしておくと良いでしょう。それと比べて、シールドベアリング式の寿命は5000~1万5000kmくらいが交換時期になります。
Sponsored Links
自転車のホイールのハブに組み込まれたベアリングを交換するためには、六角レンチの他にもベアリングレースシールドライバーなどの特殊な工具が必要になります。また、BBにガタがきた場合は、BBごと交換することが多いです。
自転車の構造をしっかり理解している方でしたら、DIYで交換できるかもしれませんが、ホイールのハブやBBに設置されたベアリングは非常に重要なパーツなので、知識のない方が安易に自分で交換することはお勧めできません。
ベアリング交換時の取り付け不良が原因で、自転車のベアリングから異音が発生することもあるので、交換作業に自信がない方は、販売店などに依頼するようにしましょう。
自転車用ボールベアリング
ベアリングレースシールドライバー
Sponsored Links