自転車の走行中に後輪のほうからガチャガチャ音がして、ギアが勝手に変わるということがあります。その後、リアディレイラー(変速機)がトップギアに入らない、またはローギアに入らないという症状が現れた場合は、調整や修理が必要になります。
自転車のギアが勝手に変わる原因
自転車は、大きさの異なる複数の歯車の上をチェーンが移動することでギアチェンジし、べダルが重くなったり軽くなったりします。一番大きな歯車がローギア(軽い)で、一番小さい歯車がトップギア(重い)になります。
自転車のギアが勝手に変わる主な原因は、「ワイヤーの弛み」「リアディレイラーハンガーの曲がり」「チェーンの伸び」の3つが考えられます。それぞれの原因によって、リアディレイラーがトップギアに入らない、またはローギアに入らないという不具合が起きてきます。
リアディレイラーがローギアに入らない
ワイヤーの弛み
リアディレイラーがローギアに入らない時に考えられる可能性の高い原因は、「ワイヤーの弛み」です。自転車のリアディレイラーとは、後輪に取り付けられた変速機のことを言います。
リアディレイラーは、ハンドルバーにあるギアシフターとワイヤーで繋がっていて、そのワイヤーを引いたり緩めたりすることでリアディレイラーがギアチェンジを行っています。
このワイヤーが弛んでしまうと、チェーンが大きな歯車のローギアから、小さい歯車のトップギアへ滑っていき、自転車のギアが勝手に変わる原因になります。
この場合、一度トップギアの方へチェーンが移動してしまうと、ギアシフターでギアチェンジしようとしても、リアディレイラーがローギアに入らない状態になります。
新しい自転車を乗り始めてからしばらく経つと、ワイヤーのテンションが落ちる「初期伸び」という症状が現れることがよくあります。これは故障ではないので、簡単な調整で元に戻ります。
自転車には、リアディレイラーのアウター端部にテンションアジャスターというワイヤーを調整するためのボルトがあります。このボルトを反時計回りに回せばテンション上がり、ワイヤーの弛みが解消されます。ボルトを時計回りに回せばテンションを下げられるので、間違っても元の状態に戻せるように、ボルトを何回、回したかを覚えておくと良いでしょう。
Sponsored Links
チェーンの伸び
自転車のチェーンは、複数の金属プレートをピンで連結した構造になっており、このチェーンが大きさの異なる歯車と噛み合うことでギアチェンジしています。
長年乗っている自転車のチェーンは、金属プレートをピンで連結している部分が摩耗して伸びてしまい、ギアの歯車とチェーンが噛み合わなくなってきます。
すると、チェーンが大きな歯車のローギアから、小さい歯車のトップギアへ滑るように移動して、自転車のギアが勝手に変わることがあります。これが原因でリアディレイラーがローギアに入らない状態になります。
自転車のチェーンの寿命は走り方にもよりますが、大抵は走行距離3000km~5000km程度が交換頻度の目安です。チェーンと噛み合うスプロケット(歯車)の方も摩耗している可能性があるので、その場合は、チェーンとスプロケットの両方を交換する必要があります。
チェーンの伸びが分かる「チェーンチェッカー」
チェーンの伸びについては以前に書いた記事があるんで、合わせてご覧ください。
Sponsored Links
リアディレイラーがトップギアに入らない
リアディレイラーハンガーの曲がり
リアディレイラーがトップギアに入らない原因については、ワイヤーが毛羽立って詰まっているなど、様々なことが考えられますが、頻度が高い原因の1つとして「リアディレイラーハンガーの曲がり」が挙げられます。
リアディレイラーハンガーとは、リアディレイラーを車体のフレームに固定しているパーツのことです。このパーツが何らかの原因で曲がってしまい、リアディレイラーが後輪の内側に入り込むことで、リアディレイラーと近い位置になるトップギアに入らなくなることがあります。
たとえば、自転車をリアディレイラーがある側に倒してしまった時に、リアディレイラーを地面にぶつけて曲がってしまうと、自転車の走行中にギアが勝手に変わり、トップギアに入らないということがあります。
曲がったリアディレイラーハンガーは、力づくで曲げ直して使えることもありますが、不具合がある場合は新しいものと交換することをお勧めします。地面にぶつけてリアディレイラー自体が故障している場合もあるので、一度販売店などで点検を受けてみると良いでしょう。
リアディレイラーハンガー
リアディレイラー
Sponsored Links