スズキ目コチ科に「メゴチ(女鯒)」という和名の魚がいますが、釣り人の間で通称「メゴチ」と呼ばれているのは、スズキ目ネズッポ科に分類される「ネズミゴチ」という魚です。本記事では、メゴチ(ネズミゴチ)とマゴチの違いや見分け方について紹介します。
メゴチ(ネズミゴチ)とマゴチの違い
メゴチとマゴチは分類学的に全く異なる生き物
メゴチとマゴチは、分類学的にも全く異なる別の生き物です。メゴチはスズキ目ネズッポ科に分類される体長20㎝ほどの小型魚で、マゴチはカサゴ目コチ科に分類される体長50㎝ほどの大型魚です。メゴチ小型魚で、マゴチは大型魚という違いがあります。
メゴチはスズキの仲間で、マゴチはカサゴの仲間なので、全く違う魚なのですが、生息する環境が似ていることから、似たような進化を遂げた生き物です。
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マゴチはカサゴの仲間なので、エラにトゲがあるのは自然なことですが、スズキの仲間であるメゴチのエラにもトゲがあるのは不思議です。ただし、マゴチのエラのトゲは、真っ直ぐに伸びているのが特徴で、メゴチのエラのトゲは、内側に曲がっていて先端の方がギザギザになっているという違いがあります。
メゴチとマゴチは、海岸から水深30mまでの海底で生息する平たい体の魚です。普段は海底の砂や泥に擬態してあまり動きませんが、獲物を近づいてくると俊敏な動きで捕食します。
口の違いが見分け方のポイント
メゴチは口先が突出した、おちょぼ口をしているのが特徴です。メゴチは、甲殻類や多毛類、貝類などの小型の底生生物を、小さな口で吸い込んで捕食します。ですから、メゴチが釣れると針を飲み込んでしまうので、針を取るのが大変です。
一方、マゴチは大きく広がった平たい口で、クルマエビなどの甲殻類や、小型のタコやイカ、またはハゼやシロギスなどの小魚などに食い付いて捕食します。ですから、マゴチが釣れた時は、通常通り魚の口に針がかかります。
メゴチは小さなおちょぼ口で、マゴチは大きく広がった平たい口という違いが、見分け方のポイントになります。
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メゴチとマゴチは、生息範囲がシロギスと同じなので、シロギス釣りをしていると、外道として釣り上げることがあります。マゴチは、たくさん釣れることはあまりない高級魚ですが、メゴチは、シロギス釣りでよくかかる魚なので、シロギスをメインで釣っている場合はメゴチをリリースすることもあります。ただし、メゴチも天ぷらにすると美味しい白身魚です。
メゴチやシロギスなどが狙える投げ釣り用ロッド
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