多くの釣り人を魅了するヘラブナですが、ヘラブナと似たものにゲンゴロウブナという魚がいます。これらの違いはいったい何なのでしょうか?また、一般的に呼ばれるマブナとは、どのような魚なのでしょうか?今回は、マブナ、ヘラブナ、ゲンゴロウブナの違いと見分け方について解説していきます。
マブナ/ヘラブナ/ゲンゴロウブナの違い
ゲンゴロウブナは天然物でヘラブナは養殖物
ゲンゴロウブナは、コイ目コイ科フナ属に分類される魚で、琵琶湖・淀川水系に生息する日本の固有種です。大正時代に体高が異常に高い個体が発見されて、この突然変異体を元に品種改良したものがヘラブナです。
つまり、ゲンゴロウブナは天然物で、ヘラブナは養殖物という違いがあります。ゲンゴロウブナとヘラブナは、分類学上は同じ生き物ですが、ゲンゴロウブナよりもヘラブナの方が体高が高いという見た目の違いがあるわけです。成魚の体長は20~30㎝ほどで、大きいものでは60㎝以上まで成長する個体もいます。
ただし、後にヘラブナが琵琶湖に放流されたことで、ゲンゴロウブナとヘラブナが交雑したものも存在します。
ゲンゴロウブナとヘラブナは、植物性プランクトンを好んで食べる草食性の魚なので、釣りをする際の餌は、マッシュポテトや麩餌などを配合したグルテン系の練り餌が使われます。
ゲンゴロウブナとヘラブナは季節や時間帯によって、遊泳層(タナ)が大きく異なるため、その時々のタナ取りの対応力が釣果に繋がります。
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マブナはゲンゴロウブナと区別するための総称
マブナは正式名称ではなく、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)と他のフナを区別するための総称です。
一般的には、キンブナやギンブナなどをマブナと呼びますが、キンブナは生息数が少なくなってきているので、ギンブナのことをマブナと呼ぶことが多いです。
ギンブナは、コイ目コイ科コイ亜科フナ属に分類される魚で、体高はゲンゴロウブナ(ヘラブナ)よりも低いという違いがあります。ギンブナの成魚の体長は15~20cmほどで、大きいものでも30cm程度なので、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)よりもギンブナの方が小さいです。
キンブナやギンブナは、動物性プランクトンを食べる雑食性の魚で、ユスリカの幼虫やイトミミズなどの底生動物を好んで食べているので、主に河川の低層で活動します。
植物性プランクトンを主食とするゲンゴロウブナ(ヘラブナ)と比べて、マブナ(ギンブナ)は肉食傾向が強いため、練り餌の他にミミズや赤虫などでも釣ることができます。
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マブナ/ヘラブナ/ゲンゴロウブナの見分け方
ヘラブナは、ゲンゴロウブナの体高が異常に高い個体を元に品種改良したものなので、ヘラブナとゲンゴロウブナの見分け方は、ヘラブナの方が体高が高く、横から見ると菱形の体をしているという違いになります。ただし、ゲンゴロウブナとヘラブナが交雑したものも存在するので、両者を見分けることが困難な場合もあります。
マブナ(ギンブナ)は、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)よりも体高が低く、体長が小さいという違いがあります。また、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)の目は、マブナ(ギンブナ)よりも、やや低い位置に付いていることも見分け方のポイントになります。
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