エギングでアオリイカを狙う際、「何回しゃくればいいのか」という疑問は多くの釣り人が抱くものです。しかし、自然相手の釣りに絶対的な正解はありません。ここでは、多くの釣り人の経験から導き出された基本的な考え方と、状況に応じた応用方法をご紹介します。あくまで一つの目安として参考にしていただき、実際の釣り場では柔軟に対応することが大切です。
一般的な基本パターンとその理由

多くのエギンガーが基本とするのは「2〜3回のしゃくり」です。これは長年の釣り人たちの経験から最も汎用性が高いとされるパターンです。
なぜこの回数が基本とされるのでしょうか。一つの考え方として、エギが模倣する小魚やエビの動きに近いという説があります。驚いた小魚が逃げる際の動きを観察すると、2〜3回程度の連続した動きをすることが多いと言われています。ただし、これはあくまで釣り人の経験則に基づく解釈であり、実際のイカの反応は個体差や状況によって大きく異なります。
また、エギングでは「しゃくりすぎない」ことも重要とされています。過度なアクションは、場合によってはイカに違和感を与える可能性があるという経験談も多く聞かれます。しかし一方で、高活性時には4回、5回、それ以上の連続したしゃくりが効果的な場合もあり、状況判断が重要になります。
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季節による傾向の違い
春(産卵期)の傾向
3月から6月頃の産卵期には、多くの釣り人が「優しいアクション」を心がけます。この時期のイカは産卵を控えているため、激しい動きの餌を追いかけることを避ける傾向があると言われています。そのため、2〜3回の控えめなしゃくりから始めることが多いようです。
ただし、これも地域差や個体差があり、産卵期でも活発に餌を追うイカもいます。まずは優しいアクションから始め、反応を見ながら調整することが大切です。
秋(新子シーズン)の特徴
9月から11月頃は、その年に生まれた「新子」と呼ばれる若いイカが主体となります。一般的に、この時期のイカは好奇心が強く、様々なアクションに反応しやすいとされています。そのため、3〜5回程度のメリハリのあるしゃくりも有効な場合が多いです。
ただし、「新子だから必ず激しいアクションが良い」というわけではありません。その日の天候、潮の状況、時間帯などによって反応は変わります。基本パターンから始めて、徐々に変化を加えていくのが良いでしょう。
夏と冬の考え方
夏場の高水温期や冬場の低水温期は、一般的にイカの活性が下がりやすいとされています。多くの釣り人は、このような時期には1〜2回の控えめなアクションから試すことが多いようです。
しかし、これも絶対ではありません。夏の朝夕や、冬でも水温が安定している場所では、通常通りのアクションが効果的な場合もあります。水温計があれば実際の水温を確認し、過去の経験と照らし合わせて判断するのも一つの方法です。
状況に応じた調整方法

水深による違い
浅場と深場では、エギの見え方や潮の影響が異なるため、アクションを変える釣り人が多いです。一般的には、深場ほどアピール力を高めるために、やや多めのしゃくりを入れる傾向があります。ただし、深場でもスローな釣りが効く日もあるため、これも一つの目安として捉えてください。
潮の流れと風の影響
潮が速い時や風が強い時は、エギが勝手に動いてしまうため、少なめのアクションで十分な場合があります。逆に、潮が緩い時は、しゃくりでエギに動きを与える必要があるかもしれません。現場の状況を見ながら調整することが重要です。
時間帯による違い
朝夕のマズメ時は活性が上がることが多いため、やや活発なアクションも試す価値があります。日中や夜間は、その時の状況によって大きく変わるため、様々なパターンを試してみましょう。
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アクションのバリエーション
基本の縦のしゃくり以外にも、様々なテクニックがあります:
ワンピッチジャーク:1回しゃくって1回巻く動作を繰り返す方法。リズミカルで安定した動きが特徴です。
ハイピッチジャーク:素早く連続でしゃくる方法。高活性時や競争心を煽りたい時に有効な場合があります。
スラックジャーク:ラインをたるませながらしゃくる方法。よりナチュラルな動きを演出できます。
これらのテクニックも、必ずしも特定の状況で効くとは限りません。その日の反応を見ながら、様々な方法を試すことが大切です。
フォールの重要性
しゃくりの回数と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「フォール」です。多くのイカは、エギが沈下している最中に抱いてくることが経験的に知られています。
フォール時間は5秒から20秒、時にはそれ以上と、状況によって大きく変わります。しゃくりの回数だけでなく、フォールの時間やラインの張り具合なども意識することで、より多くのチャンスを作ることができるでしょう。
実践でのアプローチ
実際の釣り場では、以下のようなアプローチが参考になるかもしれません:
・まずは基本の2〜3回から始める
・反応がなければ、回数やリズムを変えてみる
・それでも反応がなければ、エギのカラーやサイズを変える
・移動して別のポイントを探る
・時間を置いて再度試す
重要なのは、一つのパターンに固執しないことです。自然は常に変化しており、昨日効いたパターンが今日も効くとは限りません。
まとめ
エギングでのしゃくり回数に絶対的な正解はありません。2〜3回という基本を出発点として、その日の状況、季節、時間帯、潮の流れなど、様々な要因を考慮しながら調整していくことが大切です。
最も重要なのは、固定観念にとらわれず、常に観察し、試行錯誤を重ねることです。エギングは奥が深く、だからこそ多くの釣り人を魅了し続けているのでしょう。この記事が皆さんの釣行の参考になれば幸いですが、最終的には自分自身の経験を積み重ねることが、上達への一番の近道です。
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