高温多湿の日本には、古くから多くの保存食があります。
伝統的な保存方法は「乾燥」「塩漬け」「砂糖漬け」「発酵」「燻製」の5種類です。
今回の記事では、加工食品の保存方法の原理について解説していきます。
食品はなぜ腐るのか?
食品を買ってからしばらく経って変な臭いがするようになる。
食品の色が変わってしまった。カビが生えてしまった。
食べ物には、その種類に合った保存方法があり、それを守らずに時間が経つと、徐々に傷んで腐ってしまい、食べられなくなってしまいます。
家の中には、目には見えませんが、小さな微生物がいます。
少しくらい数の微生物なら問題はありませんが、数が増えてしまうと食べ物にカビが生えたり、食べ物が腐ってしまいます。
さらには、人間に害のある毒素を作る微生物が増えてしまうと食中毒の原因になります。
食品が腐る原因は、微生物の付着です。
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微生物が増えるために必要な条件は「温度」「水分」「酸素」の3つが挙げられます。
細菌が活発になる温度は約30℃~35℃で、カビが活発になる温度は約25℃~35℃です。
冷蔵庫の温度は約5℃~7℃なので、細菌やカビの活動を抑制して、食品を長持ちさせることができます。
微生物が活発に働くためには水分が必要です。
水分を多く含む生のイカはすぐに腐ってしまいますが、乾燥させて水分がないスルメは長持ちします。
微生物も、人間や動物と同じで酸素がないと生きていけません。
なかには酸素がなくても生存できる菌もいますが、多くの微生物は酸素がないと生きていけないので、缶詰など酸素がない状態にすると食品は長持ちします。
「 腐る」と「発酵」の違い
食べ物が腐るのは微生物が原因ですが、なかには食べ物を美味しくしてくれる微生物もいます。
微生物は食品に付着して、食品を食べて分解していきます。
この時に微生物の種類によって食品がアンモニアなどに分解されると、食べ物は腐ります。
微生物が食べ物から酵素を作り、食べ物を美味しく変化させることを発酵と言います。
つまり、食品に付着した微生物の種類によって、臭くて食べられなくなったり、発酵食品と呼ばれる美味しくて栄養のある食べ物にもなるのです。
食べ物が腐るのも発酵するのも、その仕組みは同じですが、微生物の種類や働きに違いがあるのです。
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加工食品の保存方法の原理
日本の伝統的な保存方法には、「乾燥」「塩漬け」「砂糖漬け」「発酵」「燻製」の5種類の加工食品があります。
ここでは、それらの保存方法の原理について簡単に解説していきます。
乾燥
ドライフルーツが、どうして腐らないのか?その理由は2つあります。
1つ目は、乾燥させることで腐敗菌に必要な水分が少ないため長持ちします。
2つ目は、フルーツは乾燥すると、糖分の濃度が高くなるため腐敗菌が生きていけなくなります。
塩漬け
漬物はなぜ腐らないのかは、漬物を作る時にたくさんの塩を使うからです。
たくさんの塩を使うと、塩が腐敗菌の体内に入り込むことで、菌が活動できなくなるため、食品が長持ちするのです。
腐敗菌の体内に塩が入ると、菌が生きていくために重要な器官が体外に飛び出してしまうので、活動できなくなります。
砂糖漬け
スーパーなどで販売されているジャムの中には、ほとんど防腐剤が入っておらず、ほぼ自然な状態の食品です。
ジャムの材料は、原料となる果物と砂糖です。
ジャムはなぜ腐らないのかは、ジャムはたくさんの砂糖を使って作るので、砂糖が腐敗菌の体内に入り込み、活動できなくしているためです。
発酵
味噌の材料は、大豆と麹と塩です。
味噌が腐らない理由は、塩分があるからです。
腐敗菌は塩を嫌い、発酵させる時に塩を使うので腐るのを防いでいます。
冷蔵庫のなかった昔に、魚などを味噌漬けにして長期保存したのが魚の西京漬けです。
発酵によって食品の美味しさが増し、塩の効果で食品を長持ちさせています。
燻製
燻製は、煙でいぶして作りますが、その煙の中にはフェノールと呼ばれる殺菌効果がある成分が含まれています。
秋田県の名産で「いぶりがっこ」という食品があります。
これは、大根をいぶして保存食にしたもので、大根の中に腐敗菌を寄せ付けないフェノールという成分を入れることで、食品を長持ちさせています。
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