映画『メイズ・ランナー』3部作を一気に観た感想

映画『メイズ・ランナー』3部作をレンタルで一気に観ました。3作目の公開が2018年6月で、すでに観ている人も多いと思うので、今回の記事はネタバレ込みで書いてみます。

私はまだ読んでいませんが、『メイズ・ランナー』には原作となる小説があり、全部で5作あるようです。映画と同様の3部作に加えて2作のアナザーストーリーがあります。日本語版の小説は3部作だけ角川書店から出版されているようです。

私は『メイズ・ランナー』のシリーズをレンタルビデオ屋さんでなんとなく見付けて、なんとなく借りてきたのですが、後で調べてみると、シリーズ全体で興収1,000億円を超える大ヒットだったのですね。確かに面白い映画でした。



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「閉ざされた空間」⇒「脱出」⇒「再び閉ざされた空間」

1作目の映画『メイズ・ランナー』は、主人公の青年が場所も分からない閉ざされた空間に突然放り込まれるシーンから始まります。

ここが何処かも分からず、自分の名前さえも思い出せない(大抵は2日以内に自分の名前を思い出せる)、周りは高い壁で囲まれていて、その先は巨大な迷路になっています。

そこには、似たような境遇に陥った青年たちが数十名いて、過酷な環境に耐えながら、なんとか脱出しようと試みています。

映画や小説などをたくさん鑑賞している人だったら、このように閉ざされた空間に複数の人たちが閉じ込められるストーリーの作品は、『メイズ・ランナー』以外にもいくつか思い浮かぶことでしょう。

人々が閉じ込められている空間が、作品によっては小さな島だったり、人里離れた村だったり、脱出不可能な異空間だったり、『メイズ・ランナー』と似たように周りが高い壁で囲まれているという設定の有名な漫画もあります。

このように登場人物たちが閉ざされた空間に身をおくことになると、その後のストーリー展開は、脱出するということになります。そしてその脱出のためには、その空間がいったい何なのかという謎解きが必要不可欠です。

さらには、その謎の答えが、自分たちの最も近いところにあると物語をまとめやすいのです。

短い話であれば、謎を解いて脱出してそのまま物語が終わることもありますが、話が長くなると、大抵は壁の外に出た後に謎解きの答えが壁の内側にあることに気付き、もう一度壁の内側の世界に戻ってくるというパターンです。

このように映画を観ている人を楽しませるためのゴールデン・パターンがあり、その王道で作られているのが映画『メイズ・ランナー』3部作です。

1作目の映画『メイズ・ランナー』は、壁の内側からの脱出編です。2作目の『メイズ・ランナー 2 砂漠の迷宮』は、壁の外での生活を模索します。そして、3作目の『メイズ・ランナー 3 最期の迷宮』は、再び内部に戻ります。


人間の敵はゾンビではなく人間なのか?

『メイズ・ランナー』は、世界中に未知のウイルスが広がって、人間に感染してゾンビ化するという設定で、このような設定の映画は数多くなります。にもかかわらず『メイズ・ランナー』が面白かったのは、謎解きや登場人物たちに魅力があったからだと思います。

『メイズ・ランナー』は、いわゆるゾンビ物の作品のように、人間とゾンビとの戦いがメインの話ではないのです。むしろ人間vs人間です。

高い壁の内側に抑制されるように閉じ込められた若者たち、そして、ゾンビ化を防ぐことで未来を切り拓く手掛かりが、若者たちの体内にあるという設定が魅力的なのかなと思います。

最初は謎だらけだったのが、物語が進むにつれて、登場人物たちのキャラクターが際立ってくるのが良かった。それぞれのキャラクターの役割が分かってきたところで、最後に入ってくるのが唯一の女性だったというのも謎が謎を呼び面白い展開でした。最終的にその女性が物語のカギになっていきます。

そして、物語の終盤には全ての謎が解けて、主人公の体内にゾンビ化を防ぐための抗体があることが分かり、その主人公は自らモルモットとなり大量の血液を提供するのか、もしくは、逃げ延びて自分の人生を全うするのか、この2つの選択を迫られます。

現実世界でも、社会に尽くすのか?それとも自分らしく自由に生きるのか?この選択は多くの若者が共感できるテーマなのではないでしょうか。

メイズ・ランナー DVDコレクション (3枚組)

「メイズ・ランナー」シリーズ 3冊 合本版 (角川文庫)



≪この記事を書いたライターさんのプロフィール≫

ライター名:すず

美大卒学芸員のアート系ライターです。
以前は、マニアックな古い映画ばかり観ていましたが、ある日、突然「いまを生きる」のだ!と思い立ち、新しい映画もちょいちょい観るようになりました。
ここでは最新の話題作を中心に映画レビューを書かせていただいてます。
好きな映画:タルコフスキーの『ノスタルジア』、ジュネ&キャロの『デリカテッセン』、ベネックスの『ディーバ』、『不思議惑星キン・ザ・ザ』『カリガリ博士』『逆噴射家族』『博士の異常な愛情』…良い映画が沢山あるので全部書ききれない。



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